自動環境モニタリングで省人化の実現と監査業務の円滑化

温度と湿度を監視する場合、実験器具製造のスペシャリストであるドイツのカール・ロス社(Carl Roth GmbH & Co. KG)は、テストー社の testo Saveris 1 環境モニタリングシステムを使用しています。
「当社は、約6,000種類の化学物質を約15,000種類の資材に梱包して、24時間以内にお客様に供給しており、倉庫にはそれに応じて在庫があります」と生産マネージャーのセバスチャン・デュール氏は述べています。
このサプライヤーにとって、監査は日常業務と言ってもいいでしょう。同社は2020年と2023年に、アラーム管理を備えた自動環境モニタリングシステムに投資しました。「これにより、GMPへの準拠も含め、お客様に満足いただくために必要なすべてのデータが得られます」とデュール氏は述べています。

カール・ロス社(Carl Roth GmbH & Co. KG)について

カール・ロス社は、140年以上にわたり、実験器具、ライフサイエンス、化学薬品の分野における専門のコンサルティングと高品質の製品を提供してきました。約30,000の製品と24時間の配送サービスにより、カール・ロス社は、研究、科学技術の分野の研究所の信頼できるパートナーとして活動しています。また、研究プロジェクトとパートナーシップに基づいて、現在および将来の研究分析を見据えた、独自の新しい先駆的なロス社製品の開発も行っています。そのパーソナルサービスは常に信頼性、経験、ビジョンに基づいています。ドイツ カールスルーエの本社に加えて、カール・ロス社はヨーロッパに5つの子会社を持ち、世界100カ国以上の顧客に製品を供給しています。

病院や研究所、食品産業、化学物質の製造や保管など、安定した環境条件が重要な分野は無数にあります。多くの企業は、手動あるいはモバイルデータロガーを使用して、室内温度を定期的に記録しています。自動測定システムがなければ、これには膨大な作業量が含まれ、関連する従業員は労働時間の最大20%を測定業務とその文書化に費やさなければなりません。それでもなお、結果はまだ100%信頼できるものではありません。 測定と測定の間の時間帯で温度が標準範囲外にあった場合はどうなりますか? それに対し、自動監視システムであれば、エンドユーザーを含め、一貫した品質と信頼性を保証することができます。

課題

challene

カールスルーエ・ライン港にあるカール・ロス社の第2工場では、幅広い化学物質が保管・梱包されています。倉庫は危険物のクラスに基づき分割されています。監視される温度範囲は、マイナス20°Cからプラス40°Cに及びます。 小さな一時的な保管場所から大きな自動倉庫まで、防火壁で区切られた25を超える部屋があるというその構造条件により、現在の環境に測定システムを設置することは困難でした。しかし、幸いなことに、ケーブルを敷設する必要はありませんでした。「2020年にtestoシステムを選択したのは、Wi-Fiソリューションが提供されたからです」とデュール氏は述べています。

2023年の初めに、カール・ロス社は、クリーンエリアを含む生産施設やその他の倉庫エリアもシステムに接続することを決定しました。調査の段階で、Wi-Fi規格がすべての設置箇所に適しているわけではないことが判明したため、LAN/PoE給電タイプも使用されるようになりました。「自動化された小型部品倉庫では、センサは非常に高い場所に設置されているため、梯子に上ってバッテリを交換するのは不便でした」とデュール氏は述べています。

Challenge

ソリューション

テストー社は、測定システムの試用にお客様が十分に時間を確保できるよう、テストシステムを事前に提供しました。テストー社のインダストリーアカウントマネジメントのグループヘッドであるロベルト・ナポリターノ氏は、よく Saveris 1システムを積み木になぞらえてこう説明します。「お客様は、各測定ポイントで何を測定すべきか、そしてセンサを外付けタイプにするか、内蔵タイプにするか、Wi-Fi通信にするかを決定できます。このモジュール性は、これまでの市場で他に類を見ないものです。さらに、システムは簡単に拡張できます。」

カール・ロス社では、このシステムは主に温度監視の目的で使用されています。「倉庫には密閉された容器のみが保管されていますが、品質関連の基準であるため、湿度についても記録を取っています。また、オープンケミカルを使用する生産施設では、水分センサも適宜校正しています」とデュール氏は説明します。センサが許容範囲外の温度を測定すると、逸脱アラームが有効になります。その場合、カール・ロス社の品質管理チームは、製品の品質が低下している可能性があるかどうかを評価し、適切な措置を講じます。
「お客様が監査を必要とする場合、また必要に応じてGMPに準拠しているかどうか確認することも含め、ボタンを押すだけで温度の変化を提示し、レポートを生成できます。このシステムは誰が、何を、いつ、なぜ変更したかを正確に記録するからです」とデュール氏は述べています。それはつまり、「顧客満足を確保するために必要なデータを常に持っている」ということなのです。

Solution

Solution

今後の展望

温度と湿度に加えて、システムは必要に応じて差圧など、他のパラメータを測定することもできます。光センサ、パーティクルカウンター、CO2プローブなど、アナログ出力を備えた外部デバイスを簡単に接続できます。したがって、カール・ロス社は将来、システムを追加してアップグレードしたり、他の建屋にも拡張する可能性があります。

主な利点

  • 自動測定により、監査の信頼性が向上し、コストと時間が節約されます 。

  • LAN、Wi-Fi、テストーの独自無線である testo UltraRangeを採用したデータロガーモジュールにより、システムはあらゆる環境に適応可能

  • 温度センサまたは温度/湿度センサの組み合わせを自由に選択可能

  • 簡単かつコスト効率よく拡張できるモジュラーシステム

  • テストー社のセールスおよびサービスチームによる迅速かつ包括的なサポート