熱線式風速計による風速測定

熱線式風速計の特徴は、弱い風(微風)に対し精度の高い風速計であることです。特に風速が0.01~5m/sまでの微風速や気流の測定が必要な場合は、熱線式風速計をお勧めいたします。

テストーの風速計は環境測定の分野でよく採用されており、換気ダクト内やエアコンからの気流や風量の測定シーンで選ばれています。風速計にダクト面積を入力することで風量を演算、記録することもできるため、風速計と風量計に違いはありません。

室内の風速や風量は、室内空気品質に影響を与えます。室内の空気品質を評価するのは不可能と思われがちですが、定期的、継続的に関連するパラメータの測定値を比較することで評価ができます。

 

熱線式風速計の選び方(テストーが選ばれる理由)

  • 業務用としての信頼性・耐久性
  • 測定値が保持されるホールド機能
  • 風速測定/温度測定/風量測定の組み合わせ
  • 測定データをメモリに記録しておける上位機種の存在(testo 440

ベストセラー

熱線式風速計

Thermal anemometer

換気ダクトの風量、温度を測定

スマートフォン対応機種

Thermal anemometer operated with smartphone

スマートフォンやタブレットと接続して、アプリで操作

風速以外も計測可能な上位機種

Multifunction measuring instruments

エアコンや換気ダクト全般、室内空気品質

熱線式風速計

スマートフォン対応熱線式風速計

風速の測定空気の流れがIAQ(室内空気品質)に及ぼす影響

風速の測定は、屋外での環境や気象条件を調べるという点で興味深いですが、現在、風速計は屋内でより頻繁に使用されています。また、ベーン式風速計は、一般的に工業分野で使用されています。この風速計は、ベーン式プローブヘッドを備えており、風速を測定し、風量演算が可能です。最高140℃までの温度に対応し、風速と温度を同時測定します。

テストーの風速計シリーズには、プローブを組み合わせて使用する機種があります。これらは、例えば、換気空調システムの性能試験を行うために使用されています。換気ダクト内で流速が発生する場合、これらの風速をチェックすることは、室内空気品質に悪影響を及ぼす可能性があるかどうかを確かめる上で重要なファクターです。ベーン式でも熱線式でも風速を測定し、風量(流量)を演算することができます。

風量の演算は、例えば、風速や風温についての不確実性がある場合、風速計を用いて行われます。不確実な理由として考えられるのは、構造上の欠陥または隙間風である可能性があります。場合によっては、風速は非常に小さく、必ずしも即座に識別できるとは限りません。しかし、風速計のような敏感な機器を使用することによって、それらを迅速に検出することができます。
 


熱線式風速計の機能は以下のとおりです。

  • 屋内の風量測定
  • 体積流量測定可能
  • 気温の測定
  • 分析や画像の文書化

スマートフォン対応熱線式風速スマートプローブ

今日では、スマートフォン接続により風速測定ができる機種があります。この風速計は、測定値の分析やメールによる送信が簡単にできます。スマートフォンで熱線式風速計を操作することもできます。

スマートプローブは、風速だけではなく、風量や温度も測定することができます。測定された値はアプリに送られます。これにより、測定値を直接取得して分析できるので、他の測定値と比較することができます。

スマートフォン対応の風速計は、特に換気ダクト内での測定がより容易になります。スマートアプリは、直感的に操作できる使いやすいユーザーインタフェイスを備えています。

スマートフォン接続による熱線式風速計

  • 測定データのアプリへの転送
  • アプリ内のデータの直接分析
  • 取り扱いやすさ
     

熱線式?ベーン式?

どちらが精度よく測定できる?

一般的に、5 m/sまでの低風速は熱線式、40 m/sまでの中風速はベーン式の方が、精度よく測定できます。下の表は、熱線式とØ 16 mm ベーン式の風速に対する精度誤差です。およそ6 m/sで同程度となり、それ以上では熱線式の誤差が大きくなっていきます。ただし実際の測定では、その他の環境条件や誤差要因も考慮する必要があります。
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熱線式風速計

低風速 (0 ~ 5 m/s) の範囲で高精度な測定が可能です。熱線式風速センサの原理は、加熱した電熱線に気流が接触したときに熱が奪われる現象を利用しています。電熱線の温度が一定になるように電流を制御し、その電流値と比例する風速値を表示します。 熱線式風速計は放散熱量を風速値として換算しており、空気密度により風速値に誤差が生じます。温度については温度補償機能がついていますが、多くの熱線式風速計では圧力 (気圧) 等による補正が必要です。testo 425 および testo 400/440 熱線式風速プローブは圧力補償機能を搭載しているため、正確な測定と業務の効率化を実現します。

  • testo 425: 内蔵の気圧センサの測定値をもとに自動的に補正された風速値を表示します
  • testo 400/440 熱線式プローブ: 気圧センサを搭載しており自動的に圧力補正した風速値を表示します (700~1100 hPaで使用)

 

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圧力補償の内部計算式
Vreal = Vinst × 1013 (hPa) / Pabs (hPa)


Vreal = 圧力補償後の風速値
Vinst = 圧力補償前の風速値
Pabs = 絶対圧 (測定値または設定値)

ベーン式風速計

主に中風速 (5 ~ 40 m/s) の範囲で使用されます。ベーン式風速センサでは、ベーン (羽根) の回転数を電気的信号に変換することにより風速値を算出します。 ベーンの軸と気流の方向が完全に平行になっているときに正確な測定ができます。気流の中で測定値が最大になる向きが最適な配置です。その構造と原理の面で、熱線式やピトー管よりも乱流による影響が少なくなります。 温度や圧力による影響もありません。ベーンの回転には惰性があるため急な減速に対する追従は不得手ですが、埃や粉じんを含む気流にも強く、汚れてもプロペラ部を超音波洗浄することが可能です。 Ø 100 mm ベーンは広い測定面を効率的に測定でき、さらにオプションのファンネルを併用して天井や壁の給排気口を簡単に測定することもできます。

  • Ø 16 mm ベーン ダクト内部や排気口の測定に適しています (0.6 m/s 以上)
  • Ø 100 mm ベーン:  広い測定エリアを効率的に測定することができます (0.3 または 0.1 m/s 以上)

 

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